「心地を描いて形を作る」 「Seat Design for Riding Pleasure」

 TEL 029-871-6040 〒300-1233 茨城県牛久市栄町1-22


: トップページ : コンセプト : 会社案内 : スタッフ紹介 : アクセス : コラム : 商品紹介 : ブログ : 料金 : お問い合わせ :

: よくある質問 : メディア : 特定商取引 : ご依頼 ご注文の 流れ :



河名シート製作所 シート加工用 シートスポンジ 紹介



河名シート製作所で使用しているスポンジについて説明いたします。



河名シート製作所のスポンジは「高密度 ポリウレタンスポンジ X-0368 」を使用しております。 
オートバイの座席の為だけに狙いを絞って
開発されたクッション性能と耐久性が素晴らしい特性となっております。

こちらのスポンジは
河名シート製作所でしか入手することが出来ない貴重な
ポリウレタンスポンジです。

巷では
座席用スポンジとして(メーカー純正部品・国産車・外車)
現在主流なものは、ポリウレタンスポンジです

アフターマーケットパーツの座席内のスポンジは
チップモールドや低反発ウレタンスポンジやネオプレンスポンジやモルトプレン
いろいろ種類があります。
上記の一般的なスポンジはホームセンターやネット通販等で手に入る素材です。

一般的なモノなのですから
オートバイシートはソファーでもなく座布団や枕でもありませんので
スポンジのマテリアル(素材)は良くても
オートバイ用としては、どれもみなマッチングが良いとはいえません。

マッチング理論をざっくりお伝えすると
座った時の質感と路面からライダーに向かう力
ほんとざっくりですが
圧した時と突き上げた時のショック吸収の割合
それと付け加えますと
耐久性となります。


河名シート製作所のポリシーは 「心地を描いて形を作る」を心情としております。
ここち「心地」は 文字で説明しがたく
体感していただければ、言葉も無くわかっていただける物
と思っておりましたから
今までは、説明を省略させていただいておりました

というか、、、。

あえて説明しない、ちょっと無口の方が恰好良いみないな流れで
説明するのを端折っておりました。


この機会、折角こちらのページをご覧になっていただいているのですから、

伝わりにくいかと思われますが、少し説明をさせていただきます。





商品があれば広告があります。

オートバイのカスタム部品は皆に知ってもらうため宣伝をします
宣伝に表記する内容はどれも
高品質で航空機に採用してある素材などオーバークオリティーで
大げさな表現が多いですよね。

チタンやドライカーボンやその他、イロイロ、人生いろいろ、数を上げたらきりが無いです。

何処の誰でも過剰気味で盛過ぎているのではないでしょうか。と疑りたくなるフレーズで溢れ返っております。
やれ、衝撃吸収力が何とかで、ゲル状が何とかで、低反発が何とかで、、、。
人間工学を考慮した大変すばらしい商品ですとか
どこの商品を拝見しても説明もぱっと見も立派です。

河名シート製作所はほとんど広告をしておりません
ですが、オートバイ乗りの方々にクチコミで知っているという方も
意外と多く大変ありがたいことです。 

一つ一つ手作業でシートをお仕立てし、お客様にお渡ししております。
(今までは作業コストという概念がありませんでした、明日から考えるように努力いたします。)

お仕立てし出来上がった座席に
メーカーエンブレムは貼り付けたりしておりませんし
むしろ解らないように、ひっそりと仕上げる事が美徳と思っておりました。

その様な心の在り方ですから

河名のシートは地味だけど
何か気になる素敵なシートを
お客様にお渡しする事が誇らしい事と思っております。

座席にメーカーロゴを大きくはっきりと主張するような商品も
たくさんありますが

一番輝いて見ていただきたいものは
オーナー様とオートバイなのですからシートが出しゃばるのは
河名シート製作所の考え方には当てはまりません。



令和4年になると、市場が熟成したと言いますか、何と申し上げたら良いか、
オートバイユーザー様方のほうが目が効くんです。
本当に頭が下る思いです。

メーカーロゴが無くとも弊社は大人気です
ただ今、受注制限をしなくてはならない状況が
申し訳なく思っております。

はい

このような話があるのですから
見えない部分への拘りを説明いたします。



河名シート製作所では
1980年頃から弊社社長「河名建次」は、約40数年前からポリウレタンフォームという
スポンジの種類に着手してきました
当時ポリウレタンフォームがあまり普及しておらず
セッティングデータが無くスポンジのブロックを購入しても
座席に使えるしなやかな製品がどこにも無かったのです。

では、、、。
「 無いのであれば作れば良いじゃないか。」
ということで、ポリウレタンフォームの溶剤(スポンジ原液)を探し出し
購入し実験を繰り返しました。

始めは試行錯誤の連続
メーカーからは、温度の管理や取り扱う時間や攪拌作業等いろいろな制約があり
上手く製品(スポンジ成形品)になることは不可能だと
溶剤メーカーは思っていたそうです。

ですが
先代社長はできないといわれている壁をクリアしたのです。
出来上がったスポンジ成形品をメーカーに持って行き
当時その部署の長は度肝を抜かれたと言ったそうです。
(余談ですが、技術指導者としてヘッドハンティングのお声がかかったそうです。お給料も
けっこうな額をお伝えしてきたそうですがお断りしたそうです。)


メーカーはクラボウです。
クラボウから提供していただた製品は
半硬質ポリウレタンフォーム発砲密度59というもの
これは当時航空機(旅客機ではなく戦闘機に部類される)の座席のショックアブソーバー
に使っているかなり特殊なものだと教えていただきました。
(技術が在るからこそ、長年に渡りスポンジ原液を購入し続けられたと思っております)

このスポンジ原液は日本中で河名シート製作所しか使ってません。
何十年も使い続けてきた原液でも月日が変われば
クラボウの担当が替わり当時を知る者はいなくなり。
なぜ1年に1回こんな商品が売れるのか
疑問に思う社員がいたのです。
何か理由を付けて売らなければいい。
その理由は、、、
昔は規制がゆるかったのですが
現代はISO規準と言いますかなんというか、、、
昔の品物に使われている薬品で現在は一部、禁止薬物が混入されているから
以前の物はもう販売はできない。
代替品は無い。(2010年の夏でした。)

と、、、。

一流企業様のお言葉でした、、、。

世の中そんなものです。
物を創る精神なんて関係無く帳簿の方が大切なのです。

2010年ですから
弊社社長が癌で胃袋全摘しフラフラしてた時期でしたので
小野寺頑張りました。

形振り構わず、数十社と伺いを立て、このようなスポンジの原液を作ってくれないかと
頼み込むこと約半年やっと作っていただいたのが今の製品になります。

出来あがるまでの時間経過の間に東北の震災が有り
このまま弊社も終わるんだと思いながら
現実逃避しながら何か打ち込む物を作ろう
「そうだ!ベスパのエンジンチューニングしよう」と本格的にやり始めましたね。
まー、余談でした。

話は戻って


新規スポンジは
日新レジン株式会社製 軟質ポリウレタンフォーム。
こちらのポリウレタンフォームは大変すばらしく
禁止薬物の件や作業性・耐久性をすべてクリアし
そして何よりも
次世代の乗り心地を提供できるすばらしい商品です。
(内心ほっとしたというよりも、これが有ればどの様な大企業様相手でも負けることは無いと確信しましたね)

半硬質と軟質のポリウレタンフォームの違いは
硬さの感じ方が違うのです。
30年前と現代ではオートバイと乗り手どちらも変わってきています。
道路交通事情も良くなっているし車体(特にサスペンション)が良くなっているので
シート(サドル)がサスペンションの補佐をしなくてもよい時代になったのです
それから免許制度が変わり
誰でも免許を取得でき経験の少ない方でも大型オートバイに乗ろうとします。
ステップに乗れない方が一番気にするのはお尻の痛みです。
痛みを感じにくくしつつもしっかりとした質感を持たせるには
しなやかなやわらかさが必要になります。

このようにポリウレタンスポンジの成分が変わりました
(2010年から2011年の間にスポンジの成分を変えました。)

諸行無常
変わったと言うよりは進化したとイメージしてください。


作業内容は成形品であっても積層し削り込んだものであっても
スポンジ性能と特性は格段に上がっています。

河名シート製作所はお客様の要望に沿う心地良い乗心地の為に
自社専用ポリウレタンフォームの原材料から配合比率を調整し
自社で発泡作業を施し、スポンジ(スポンジ成形品・スポンジのブロック)を
作り製品を仕上げております。

サドルコンサルタントなどと言って、話を煙に巻くわけではありませんが
オーナー様の乗り心地の為に地味な部分であっても
「拘りの最良」を
お届け出来るように努力しております。
見えない部分にこそ、真実が隠されております。


河名シート製作所のスポンジは
昔から戦闘機にも使われている素材を惜しげもなく使用しております。
と、
広告に書けばいいのですが、そんな事言ったら弊社らしくないので

「河名シート製作所のスポンジはまごころで出来ています。」
「商品名は 高密度 ポリウレタンスポンジ Ⅹ-0368 」

スポンジ単体(スポンジ成形品)での販売はいたしませんが
シートの調整やスポンジの入れ替え作業は河名の製品には
すべて、まごころ仕様のスポンジが使われております。


スポンジ原料(原液)があるから
お客様の用途に合う調合のスポンジを
発泡できますので、お気軽に連絡をください。

痩せ型の方・ぽっちゃり体形の方・オーナ様の感じる所もさまざまですし
いろいろな、車両が有りいろいろな用途があります。

座席を作る為
ポリウレタンスポンジをオートバイの座席の形状にお仕立てする事は
サスペンションを作り、セッティングまで施す作業にも似ています

河名シート製作所のお仕立ては
オーナー様に、「 心地良さ 」を、味わっていただけるよう
地味なところで努力をしております。



皆様のご要望に誠意を持って対応いたします。


ご検討いただけますと幸いです。



サドルコンサルタント
       小野寺 誠

(2022/02/19)


スポンジケーキのような形の物はスポンジ成形品となります
(ウレタンモールドとかインジェクションスポンジとも言ったりします)


この後 スポンジに ビニールレザーを張りますと 一つの製品になります。


画像左下側に、四角いスポンジが写っています。

こちらの四角い物は、 四角に模った成形品で
シートスポンジの入れ替え等に使用する物です。
四角にすると切ったり貼り合わせたり加工する際に
加工しやすい形
そう、加工する際の究極形態です。

スポンジを作ると言っても
ざっくり過ぎるので、少し説明しますね。

ポリウレタンフォームの原液
主剤と硬化剤の二つを混ぜて化学反応をさせて
膨らませます。

パンを作る時は
小麦と脹らし粉と言うように主な原料とイメージしてください。

パンを作るほどメジャーでは有りませんが
弊社はパンよりもスポンジを作っている方が圧倒的に多いです。

で有るからにして、、、。

スポンジの原料を調整し型に流し込み
発泡させて出来あがり。
細かく言うと
型の内容積に対して主剤の量がスポンジのコシになり
硬化剤の量が硬さの要になります。

型に対して、主剤を少なくし硬化剤を大目に入れて
それなりのスポンジを作っても、、、。
国産バイク、あるあるの
「タイマー入ってんのかすぐヘタる」症状が出たりします。
単価計算をすれば
それが正義になりますが、弊社のお客様はその様な物を望んでおりませんから
持ちが良いスポンジを生み出すところからスタートします。
容積比にしたら絶対にできない量を投入しているのです。

日新レジンの担当者様からは
河名式発泡マシーンでなければそんなに入れることはできません。
規定量から一脱しております。多すぎです。
とコメントいただいた事がありますが

でもね、
よそはよそ、うちはうちですから
お客様の為で有って
弊社の一番の売りでも有ります。

と言うように

スポンジを自社生産できる強みを生かして
反発力やしなやかさを調整した物を多数用意できますので
お客様の用途に合わせて、セレクトします。

スポンジを発泡(作って)して、それから、入れ替え作業となるので、かなり工数がかかります。
ですが
お客様の一品をお仕立てするのですから
工数が掛かっても致し方ありません。




もう少し説明します。

シートのかたちに成った「スポンジとは何なのよ」が疑問視されます。

シートのスポンジはショックアブソーバーですから

サスペンションで言うところのスプリングやダンパーに近い存在です。

シートスポンジであっても
使用するスポンジの硬度や反発力の調整を調律した物を
オイルダンパーと例えます。

次に
調律したスポンジを使用し
シートの台座面からオーナー様のお尻までの距離を
ストローク量と考えます
サスペンションのスプリングの長さとしましょう。

などとそのように

スポンジであっても
細かく調整ができて
ストローク量を加減できれば

オーナー様のお好みにお応えできるかもしれません。

オートバイの座席に関しては
豊かな経験と確かな技術力を持ち合わせておりますから
お客様の好みを描いて形に出来るかもしれません。

「心地を描いて形を作る」 
大きなメーカーでは対応できない事が
弊社なら日常業務の範囲で
臆することなくお仕立て出来る
とても素敵な、夢のような工房と言ってみたりします。


是非、弊社のお仕立てや調律を試してみてください。

お問合せお待ちしております。








* 豆知識

低反発スポンジとは反発力がゆっくりなスポンジです。
河名製のスポンジと成分と原料は粗一緒です。
まぁまぁ一緒の成分とイメージしてください。
「ざっくりお伝えするとポリウレタンフォームです」原料は一緒です。

一緒一緒、言いすぎですね。
はい。反省いたします。